超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

塗り

 ふと青空を見上げると、小さな雲が一つ浮かんでいた。じっと見つめていたが、ちっとも動かない。ああ、あれ、雲じゃないや。塗り忘れだ。世界の端っこに住んでいるから、たまにこういうことがある。毎日青空を塗らなきゃいけない方も大変だと思う。