超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

黒鍵

 朝起きたら、わき腹にピアノの黒鍵がくっついていた。子どもたちの笑顔に囲まれるすごく幸せな夢を見ていたのは覚えているが、意外なキャスティングで登場していたようだ。わき腹の黒鍵を押すと、ぷりん、と変な音がした。ダイエットをしろということなのだろうか。仕事から帰る頃にはいつの間にか消えてなくなっていた。