超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 死んだ娘の夢を見た朝はいつも、目から頬へ、涙の筋が、四本、残っている、娘も、泣いてくれているのだ、私とともに、私の夢の中で、私の中で、それが、心を、とてもあたたかく、そして、さびしくさせる、顔を洗う、歯を磨く、線香をあげ、ふいに、また、涙が、今度は、目から頬へ、二本、だけ。