2018-12-08 犬と爺さん マリコからきいた話 からだじゅうに、コードや、ネジや、アンテナや、ちかちか光るランプをくっつけた、ほとんど骨ばかりの犬が、これまたほとんど骨ばかりの爺さんが弱々しく投げたフリスビーを、三十分かけて、くわえて戻ってきた。夕暮れの、さびれた公園での話だ。 本当は会社に戻らなきゃいけないのに、その一部始終をベンチに腰かけてぼんやり眺めていた。爺さん、すごくよろこんでた。犬も、たぶん。