超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

もこもこ

 始発に乗るため
 いつもよりずっと早い時間に起きて
 カーテンを開けると
 朝もやの向こうに
 羊の大群が
 もこ
 もこ
 ぞろ
 ぞろ
 ひしめき合いながら
 まだ夜の残る少し暗い方へ
 去っていくのが見えた

 どこかの誰かが
 やっと眠りについたらしい

 おやすみなさい

 いってきます