超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ウィンク

 ベランダで星を眺めていたら、一つの星がウィンクするように瞬いたので、思わずこちらもウィンクを返すと、その星はふっと消えて見えなくなった。
 次の瞬間、足元に何かが落ちてきた、軽い音とともに。

 一通の手紙だった。

 青だか赤だかわからない不思議な色の封筒。今消えた星と関係があるのかな、あるのだろうな、と思いながら、拾い上げ、そこから取り出した便せんには、地球上のあらゆる言語で「ご応募ありがとうございます」と書かれていて、そこで初めて俺は、ウィンクした方の目玉がいつの間にかなくなっていることに気がついた。