超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

飛行機雲

 嘘のように晴れた青空をふと見上げると、飛行機雲がピンと張っていて、そこに洗濯物を干したハンガーがいくつも揺れていた。洗濯物の中には、死んだ息子の、野球部のユニフォームも混じっていた。

 あそこなら、すぐ乾くだろうなあ。

 そんなことを考えながら歩いていたら、水たまりで足を濡らした。