超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

惚れ薬

 まだあたたかい惚れ薬を冷ましている秋の窓辺、そのすぐ向こうを、あの人が通りかかる。携帯電話で誰かと話している。笑っている。歯に青海苔がくっついている。ああ。