超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

光の尾

 夜空の真ん中を、青い光の尾を引いて、地球から月へと真っ直ぐ、1ロールのトイレットペーパーが飛んでいく。
 彗星とか、流れ星とか、見たことないけど、きっとあんな感じなんだろうな。

 あの日空から聞こえてきた
「紙取って」
 の一言から、こんな美しい光景が見られるなんて。

 何だか涙が出てきた。
 何の涙だこれ。