超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

水平線

 朝、海の見える部屋のカーテンを開けた時、
 しわしわの水平線の上を、
 巨大なアイロンが横切っていくのを見た。

 アイロンはゆっくりと視界の端へ消え、
 後に残されたのは、
 見慣れたまっすぐの水平線だった。

 珍しく早起きした朝だったのだが、
 それが得だったのかそうではなかったのか、
 未だにわからないでいる。