超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

きば

(公園のベンチで居眠りしている私の足元に、いつの間にか野良犬が一匹、座っていて、私の脚に体を擦り付けている。)
(足首の温かさに気づいた私が目を覚まし、犬の姿を認め、何となく撫でている、と、)
(そこへ女子高生の二人組が通りかかり、そのうちの一人が、私と犬とをちらりと見て、)

 あれ、死ぬやつでしょ。

(と、こともなげに言って去っていく。)