超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

張り合い

 せっかく料理を覚えはじめたのに、恋人と別れて、作る張り合いがなくなってしまったので、色々なところから鼻を集めてきて、部屋の壁一面に貼りつけてみた。料理を作るたびに鼻が一斉にふんふんし出すのが可愛くて、自然と料理もはかどるようになった。
 たまに我が家に遊びに来る義姉は「どうせなら口も集めれば?」と言う。でも、それは何か違うと思っている。
 それは何か違いますよね?