超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

かじる

 あなたのお墓を少しかじったら、香水と煙草の味がしました。
 あなたもあちらで大人になったんですね。
 あなたがおばけを怖がっていた姿がいつまでも可愛くて、あなたの去った家の廊下の蛍光灯は切れたままにしておいたのだけど、新しいものに取り替えようと思います。