超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

太陽王

 時計は夜9時をとっくに回っているのに、空にはまだ夕日が輝いていた。
 これじゃ子どもが眠れないじゃないですか。
 お母さんが怒った顔でどこかに電話をかけると、空に巨大なマウスカーソルが現れ、真っ赤な太陽とともに地平線の向こうへと沈んでいった。