超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ごちそうさま

 温めたコンビニ弁当を電子レンジから取り出そうとした瞬間、家のチャイムが鳴った。
 しぶしぶ玄関に行きドアを開けたが、そこには誰もいなかった。
 タイミングの悪い、しかも幼稚なイタズラに腹を立てつつ部屋に戻り、改めて電子レンジの扉を開けると、中から日傘を差したドレスの女が現れ、私に軽く会釈をしてそのまま部屋を出ていった。
 軽くなった弁当箱を電子レンジから取り出し、残っていたひじきを食ってふて寝した。