超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

猫のゆりかご

 散歩中に通りかかった林道の外れから、小学生の集団がわいわい騒ぎながら現れた。
 それぞれが手に給食の余りらしきパンや牛乳を持っていたので、捨て猫でもいるのかと思い、林道の奥へ行ってみると、案の定落ち葉の上に段ボール箱が置かれていた。
 近づいて中を覗くと、細かく切断された女の死体の上に子猫がちょこんと座り、こちらを見上げていた。