2017-09-23 一握の砂 トモコからきいた話 ふたりしっかりと手をつないで歩いていたはずなのに、私の部屋の前に辿りついた時には、既に彼は私の手の中で一握りの砂になってしまっていた。 初めて本当に好きになった人だったんだけれど、神様は許してくれなかったみたいだ。 砂粒が少し湿っている。 私の手汗かな。 いや、彼の涙だと思うことにしよう。