2017-06-14 西日 トモコからきいた話 窓から差し込む西日を何気なく指でつまんだら、案外あっさり剥がれてしまった。 窓の形に剥がれた西日をひらひらさせながら、何か良い使い道はないかとあれこれ考えてみたが、俺の頭では何も思いつかなかった。 一瞬、そういえばトイレットペーパーが切れかかっていたな、と頭をよぎったが、その案はすぐに却下した。 結局、西日は近所の川に投げ捨てた。 ジュッ、と音を立てて西日は消え、俺の指先には何か埃っぽいにおいが残された。