超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

冷たい風船

 冷蔵庫の扉を開けた瞬間、飛び出てきた風船に鼻の頭を小突かれた。
 昨日買ってきた手首がどうしても離そうとしなかったので、仕方なくそのまま入れたのだった。
 邪魔くさいなぁとは思うが、この風船が萎みきってしまう頃には手首も使い物にならなくなっているはずなので、そういう意味でわかりやすい目安ではある。