超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 ある夜、交差点で信号待ちをしていたら、車のボンネットに何かが落ちてきた。
 車を降りて拾い上げてみるとそれは流れ星で、表面に苔のようなカビのようなものが薄くびっしりとくっついている。
 どうやら色々な人の願い事を背負いすぎ、その重みで落ちてきてしまったらしい。
 このままにしておくわけにもいかないので、表面にくっついたそれをあらかた叩き落して、流れ星を空に帰してやった。
 流れ星に祈ったのに願いが叶わない人がいたら、もしかしたら私のせいかもしれない。