超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

痕跡と目撃者

 ホットケーキを焼き上げて皿に載せ、テーブルに置いたところで、ハチミツを切らしていることを思い出した。
 何かかわりになる物ないかな、と冷蔵庫の中を覗いていた時、背中の方で何かがピカッと光った。
 咄嗟に振り向いたが何もいない。
 外の天気も台所の蛍光灯も異常はないようだ。
 首をかしげながらテーブルの上にふと目をやると、まだ温かいホットケーキに、ちっちゃなミステリーサークルが残されていた。
 やられた。
 いつの間に入ってきたんだろう。
 明日から猫でも飼おうかな。