晩飯の時間になっても妹が部屋から出てこないので、妹の部屋のドアを開けると、波の音がして、寒々しい蛍光灯の光の下に、暗い海が広がっていた。
冷たい砂浜の上には、二枚貝がいくつか転がっていて、拾って台所でこじ開けると、中には妹がよく弾いていた電子ピアノの鍵盤が一個と、妹の使っていたペンとハンドクリーム、それから目玉が入っていた。
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貝の中から出てきた妹のものをリビングのテーブルの上に置き、もう一度妹の部屋に戻った。念のためノックをしてからドアを開けたが、砂浜の上にはもう何もなかった。今日はこれでおしまいらしい。
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リビングに戻り、ソファに深く腰かける。
鈍く濁った妹の目玉を、妹が可愛がっていた飼い犬が憂鬱そうに眺めている。