2015-12-26 絆創膏とシャボン玉 マリコからきいた話 夕暮れに、暗い顔をした女が、ベランダに出る。 夕日の中で女はシャツを脱ぐ。 女の腹には絆創膏が貼られていて、女がその絆創膏を剥がすと、小さな穴が空いている。 女はベランダから街を眺め、腹を優しくぽんぽんと叩く。 女の腹に空いた穴からシャボン玉が一つ二つ、ゆっくりと空へ浮き上がる。 シャボン玉は風に吹かれて、街のどこかに落ちて弾ける。 女は腹を優しく撫で、穴の上に絆創膏を貼り直し、シャツを着て部屋へ戻る。 明日も同じことが繰り返される。