超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ぶんぶん

 近所に廃墟になった家があり、居間だったらしき場所に割れた電球がぶら下がっている。

 その割れた電球の周りを、毎晩黒い虫がぶんぶんと飛び回っているのだが、たぶんあれは虫ではないし、羽音でもない。