超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 亀のかたちをした灰の塊を、痩せた痩せた子どもたちが、取り囲んでいた。

 私が助ける間もなく、亀のかたちをした灰の塊は、痩せた子どもの、痩せた指につつかれて、崩れ落ちてしまった。

 

 私は重たい影を引きずりながら、歩きつづけ、やがて岬にこしかけ、何もいない涸れた海へ、餌も針もない、釣り糸を垂らす。