超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

夜話(屋根)

ぼくんちの屋根は、女のスカートだから、二階のぼくの部屋は、変に暗くて、ときどき妙なにおいがします。

「その妙なにおいを、嗅ぐと、きまってぼくは、体の中を濁った水のようなものが駆け巡る感覚に、襲われます。

「はい。

ぼくんちの屋根は、女のスカートです」