好きな人が浴衣姿で知らない男と手をつないでいた。
僕は川沿いのどぶ臭い道をとぼとぼ帰った。
湿った畳のいつもの部屋はいつもより空っぽで寒かった。
ああ。
うつむいて彼女のことを考えているとお腹の芯が痺れてきた。
くるしくなってズボンを脱いだ。
部屋に何とも言えない香りが広がった。
好きな人が知らない男と手をつないでいた。
お腹の底で何かが弾けた。
そんな気分じゃちっともないのに股間が少し膨らんでいた。
パンツを下ろした。
おちんちんの先に赤い花が咲いていた。
遠くからお囃子の音が聞こえてくる。
窓から差し込む強い西日が赤い花の咲いたおちんちんを照らしている。
砂壁に現れた影のかたちは 少しだけ線香花火に似ていた。