超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ハサミと下心

 新入社員のかわいい女の子は、両手が蟹のハサミだった。
 歓迎会の二次会で、たまたま二人きりになったとき、酔った勢いに任せて、「ちょっと挟んでみて」と言いながら手を差し出したら、「皆さんそうやって口説いてくるんですよ」と言われた。
 すごく恥ずかしかった。