超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

三日月と旅立ち

 宿題を片付けながら、ふと窓の外を見ると、夜空に三日月が浮かんでいた。
 しばらく眺めていたら、三日月の先っぽに何かがひらひら、はためいていることに気づいた。目をこらすとそれは、昨日隣のクラスのC君に貸した、僕の体操着だった。
 そういえば今日C君は、学校を休んだらしい。きっと明日も明後日も、ずっと学校には来ないんだろうな。