超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

夜とビル

 幼い頃、夜の街にビルを植える巨人を見た。横で眠っていた母の顔を覗くと、母は必死に眠ったふりをしていた。その次の朝から、父に関する記憶が始まっている。父は今もそのビルで働いている。