超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ネジとゴミ箱

 業者に引き取られた母は、翌日一本のネジになって帰ってきた。
 思いの外綺麗で重かったので、少しでも金になればと金物屋に向かったが、結局途中でコンビニのゴミ箱に捨ててしまった。どうしてそんなことをしたのか自分でもわからない。
 ネジはカラカラと軽い音を立てて、ゴミ箱の中をどこまでも落ちていくようだった。