超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

天使と日替わり弁当

 もし私が、私の子孫の誰かの枕元に立っても、助言できるのは、足のむくみの解消法くらいだろうな。

 安アパートの屋根を見下ろしてそんなことを考えた。
 トンカツの衣を唇にいっぱい貼り付けて
「今日の弁当旨かったな」
 と話しつつ、私の魂を運ぶ天使たちに両脇を抱えられながら。