超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

氷と寝癖

 寝ているあなたをそっと氷に閉じ込め、ベッドに乗せて窓に立てかけて、午後の陽を浴びながらサンドウィッチを食べる。
 少しずつ溶けていくあなたのところへ、飼い猫がやってきて、喉を潤す。

 目覚めたときのあなたの驚いた顔を想像して、思わずにやにやしてしまう。もしかしたらもう目覚めないのかもしれないけど。
 陽の光が寝癖の髪にキラキラまとわりついて、とても綺麗だ。