超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2018-09-04から1日間の記事一覧

水平線

朝、海の見える部屋のカーテンを開けた時、 しわしわの水平線の上を、 巨大なアイロンが横切っていくのを見た。 アイロンはゆっくりと視界の端へ消え、 後に残されたのは、 見慣れたまっすぐの水平線だった。 珍しく早起きした朝だったのだが、 それが得だっ…

自由律俳句 百十一首

2012年~2017年に詠んだ自由律俳句百十一首です。 ***** まどろんであかぎれ見ている 暑い日に猫が子を産む 夕立鉢を動かす 墓場からベビーカー 墓の水が凍っている 冷えた手揉みながら猿のニュース見ている 遠くの池に遠くの雲が映っている 川のにおい…