超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2017-10-20から1日間の記事一覧

文明

スプーンにまとわりついていた洗剤の泡は、渦を巻いて流れ去っていった。 満たされたようなそうでないような腹をさすり、俺は乾いた布巾を手に取る。 さっきまでこのスプーンの上で膝を抱えて泣いていた女の顔を思い出しながら。