超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2017-09-11から1日間の記事一覧

ツタ

遊び人だった父の葬儀会場に、何かの植物のツタがにょろにょろと入ってきて、器用に線香をあげ、再びにょろにょろと帰っていった。 葬儀が終わった後、親戚や父の友人にさっきのツタについて訊いて回ったものの、結局正体はわからずじまいだった。 とりあえ…

迫真

死体役として舞台に倒れている俺に、天井からぶら下がった人々が惜しみない拍手を送っている。