超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2017-05-20から1日間の記事一覧

朝、駅に行くと、3番線に巨大な繭が横たわっていた。 いつもの列車が蝶になろうとしているようだ。 奇妙な静けさの中、4番線にやってきた列車が、いつもの面子を飲み込んだあと、ため息をつきながら扉を閉めた。

刈り

近頃、月が欠けていくスピードが何だか速いなぁ、とは思っていたが、今日スーパーに買い物に行くと、「月」と書かれたラベルが貼られた缶詰が山積みになっていた。