夕暮の児童公園に火の輪が佇んでいる。 もう随分前にサーカスを追い出された、古ぼけた火の輪だ。 ちろちろと切れの悪い小便のような火を身にまとい、かつてその身をくぐらせたライオンや虎の顔を思い出して、ぼんやりと日を潰す。 藤棚の上で火の輪を睨む、…
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