超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2014-01-20から1日間の記事一覧

鉄と唇

線路の真ん中で寝ていると、彼女がやってきて、私に声をかける。 寝転んだまま、目を開けると、適度に雲をちりばめた、適度に青い空に縁取られた、彼女の顔が、私を覗きこんでいた。 彼女の瞳はひどくけだるく、小さな耳は、言葉に削られてささくれていた。 …