一所懸命に書いた詩だったが、台所で湯が沸いて、やかんの音がピーッと響くと、それに驚いて文字たちがノートから逃げ出してしまった。真っ白に戻ったノートのページには、私の手のあぶらの跡だけが残っていた。夏の晩のことで、いっそ裸で寝てしまおうと思…
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