解剖室の天井から吊られた裸電球の周りを、もやもやした黒い塊が飛び回っていた。若い監察医助手はメスを握ったままの手を止め、老監察医に尋ねた。 「怖くないんですか?」 老監察医は 「慣れたね」 とつぶやき、死体の頭を軽く小突いた。黒い塊がふっと消え…
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